『忘レナ草-Forget me Not』 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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・感想項目
概要 シナリオ 萌え エンディング Hシーン CG 音楽 システム
ExMode 総合評価 お気に入りキャラ
概要 |
突然現れた『死神』によって運命を宣告された主人公『矢部正広』が、病院を舞台に繰り広げる三人の『少女達』との人間模様を経た上で、『生』と『死』の意味合いを鮮烈に描いた、ダーク/シリアス系 ノベルティ・アドベンチャー。 入院した病院で出会った、漆黒の衣装を纏った冷たい瞳の少女エアリオに、死期を宣告された 主人公『矢部正広』。 死の影から解放されるためには、セックスを通じて他人から生を奪わなければならない。 生きる為に他人から『生』を奪うその行為は、緩やかに、そして確実に相手の『命』を蝕んでゆく・・・。 |
※(C)ユニゾンシフト様のHPより抜粋。要約。 |
シナリオ 50点 |
攻略可能ヒロインは4人です。 ・『朝比奈香澄』・・・数年ぶりに会った幼馴染。幼い頃から病弱だけど、芯は強くて明るい性格。 ・『坂崎こより』・・・主人公をお兄ちゃんと呼ぶ天真爛漫な元気っ娘。。足にギブスを付けているのに病院内を駆けずり回るほど活発。 ・『真柴沙耶』・・・無口でどこか冷めた性格。あることがきっかけで人間不信に。親友の真綾以外とはコミュニケーションをとりたがらない。 ・『エアリオ』・・・死神を名乗る漆黒の少女。主人公に死期を告げると同時に、生き残る術を教える。 この他にサブキャラクターとして、沙耶の親友のスポーツ万能で外交的な『東堂真綾』と、昼は怒ると怖い看護婦長サン。夜になるとある意味怖いハンターと化す(笑)『新田穂波』が登場します。それと、主人公の矢部正広は最初こそ一匹狼風味チンピラ感丸出しでちょっとヤナ奴かとゲンナリしてましたが、プロローグ部分が終わって本編に入ると、やさぐれてて不器用だけど実は優しい奴という素顔を見せるようになります。オーケーオーケー。こっちなら全然受け入れられます(笑)。 『自分が生き残る為に、セックスを通じて相手から生を奪い取る』という題材を、予約した後に知ったので、ダーク&鬼畜系が大の苦手な私はかなり心配していたのですが、フタを開けてみればビックリ。涙を誘う純愛のお話でした。各ヒロインの終盤からラストにかけてのエピソードも感動出来るお話で、プレイ中に泣かされかけることもしばしばありました。 ヒロイン毎に用意されたEDは、完全なハッピーエンドでめでたしめでたし、というものではありませんが、概ね心に残るようなラストです。(EDについては後述します) ゲーム期間は15日間。ヒロインとの交流を深めてシナリオを進行させていく『昼パート』と、Hをしてヒロインから生を奪う『夜パート』に分かれています。 が、終盤に入るまではエアリオから貰った能力のおかげでヒロイン達はHに夢中で夜パートの出来事を忘れてしまうので(爆)、中盤までは昼パートがシナリオ進行のメインとなっています。 ところが、シナリオ進行の要となる昼パートも基本的には各ヒロインの魅力を堪能する萌えパートみたいな扱いになってる部分があり、物語の核に関わるイベントが少ないので、『後半部分の主人公とヒロインの相思相愛の恋愛感情』に至るまでの描写が描ききれてないような気がします。 幼馴染の香澄は昔から主人公の事が好きなのでまだ想像で埋められるとしても、沙耶シナリオの中盤はさすがに少々強引なような気がします。 後半は昼パート夜パート共にEDに向けてシナリオが進行していくのですが、前半のキャラクター達の心理描写不足のおかげで若干置いてけぼり感覚をくらうかもしれません。 何と言うか、シナリオライターの中で世界観が完結していて、ゲーム中で物語の全貌が見えてこないような印象があります。結果として、どことなく閉鎖的な総印象を感じてしまうのが非情に残念です。ぶっちゃけた話、下書きシナリオも全部見せて欲しいと思いました。 とはいえ、前述したように終盤部分だけでもしっかりと感動できます。 冷静に考えてみると、前半部分の描写がものたりないにも関わらず、終盤部分だけであれだけ感動できるということは、終盤のシナリオそれ自体のみが相当な破壊力を持っているということで・・・・・・この辺シナリオライターの底力が垣間見える気がします。同時に、前半部分の心理描写がないのはシメキリが迫っていたからなのか書きあぐねた挙句に面倒なのでバッサリと切り落としたのか、理由が非常に気になります。 もしも前半のヒロイン達や主人公の心理描写がきちんと描かれていれば『当社比2倍』くらいの破壊力のあるシナリオになってたんじゃないでしょうか。嗚呼、本当に勿体無い・・・・・・(切実に)。 まあ、実際には後述するEDのおかげで10点くらい引くことになるんですが(汗。 |
萌え 50点 |
シナリオ内容が基本的にシリアスに進行していくので、あまり萌え要素は多くないです。っていうか私の萌え魂を刺激するのはおもに香澄でした。 こよりの元気っ娘ぷりは萌えとは若干違うものがあるし、沙耶は最初はいけずなので(爆)萌えようがないです。婦長サンに至っては怖いので萌えとか言ってる場合じゃありません。じゃあ終盤のヒロイン達に萌えは感じないのかと言われると、あの場面で抱く感情といえば、萌えではなく『ひたすらに愛おしい』以外のなにものでもないので(断言。 というわけで唯一の萌えキャラの香澄ですが、戦闘能力はなかなか高いです。 あの甘ったるい声で「んふふー」とか含み笑いしながら甘えられたり、中庭で主人公の背中にもたれかかってそのまま眠りこけられちゃあ萌え転がること必死です。っていうか転がりました。 ちなみに↑この時の香澄のセリフ。「こんな可愛い女の子にこんな風にされて、嫌なわけないわよねぇ♪」 ・・・クッ。や、やるじゃねえかよぅ(謎。 あと、香澄の背中をタオルで拭くシーンがあるんですが、この時の私と主人公のシンクロ率が妙に高かったです(笑)。 以下伏字→≪「そ、その・・・・・・。あ、あたしの背中なんて拭くの、嫌だったかな・・・・・・?」≫ い、嫌じゃないですとも。誰が嫌なんて言いますかコンチクショウッ。っていうかテンパりすぎだ自分。落ち着けッ! |
エンディング 85点 |
シナリオの感想で前述したように、強引にハッピーエンドにするよりもシナリオの展開に見合った心に残るEDが印象的でした。お気に入りというか、私は沙耶EDでかなり泣かされかけました。ラストの病室のシーンは何かグッとこみ上げてくるものがありました・・・。 ただ、エアリオEDは私にはどうにも受け入れ難いものですね・・・。 ≪以下全文ネタバレ≫ ≪『想い出も罪も死も、全てを無に帰す』ことで香澄や正広の罪とか、香澄の死を無に帰すというエアリオの行動は、まあ理解できるし、能力を行使した代償としての消滅(もしくは、原罪の対象となるエアリオ自身をも消し去る)も理解できなくはないし、彼女なりの優しさであり選択だと思います。 ただ、本質的な意味で香澄や正広、エアリオが救われたのかと考えてしまうと、正直疑問に思ってしまいます。 もっと何か、他に方法は無かったのか。とか考えてしまったり・・・。 まあ、この辺のエアリオの心情もシナリオライターが書きたかったものなのかもしれませんし、『甘い痛みと、最も残酷な救済』と表現してるのでプレイヤーにそういう感情を抱かせることも狙いのひとつなのかもしれませんが(邪推かも)、それらを全て踏まえた上で、いまひとつこのEDが受け入れられませんでした。≫ ≪以上ネタバレ終わり≫ |
Hシーン 70点 |
夜パートでH可能なのは『朝比奈香澄』、『坂崎こより』、『真柴沙耶』、それと婦長サンの『新田穂波』の4人です。『東堂真綾』と『エアリオ』はイベントのみのHしーんがあります。また、終盤に入ると各ヒロイン毎にイベントHがあります。 夜パートのHシーンは、半ば意識を操るようなカタチで行われるので、鬼畜とかムリヤリ系が苦手な私はちょっと心配していたんですが、実際はHの時の記憶だけがすっぽりと抜け落ちるだけで、意識はちゃんとはっきりしてるんですね。それと、各ヒロインともHシーンはかなり乱れまくるんで何だか良いです(;^_^;。 声優さん達も上手な方達ばかりで、なんつーか、私的には割と実用的だと思いました(爆)。≪私は香澄Hなんかはかなりヒットでした。あの甘ったるい声でおねだりされてしまうと、たまらないものがありますというか何と言うか(;^_^;。≫ 汁系描写はあまり多くはありませんが、ちゅぱ音があります(重要)。 夜パートが主となる中盤までのHシーンは、なんというか、割と快楽を求めてと言ったものが多いのですが、後半からはうって変わって、ヒロインと主人公が、お互いを本当に大切な存在だと思ってるからこそのHシーンとなります。何か暖かい目で見守ってやりたくなるような感じですね。 香澄、こより、沙耶はHシーンがそれぞれ10〜15以上とかなり豊富に用意されているのですが、テキストが微妙に違うだけでCGとか内容は一緒というものが結構多いので、実際はその半分くらいでしょうか。それでも、ゲーム中の約半分がHシーンということを考えるとかなりの量がありますね。 |
CG 90点 |
原画担当は『いとういのぢ』さん。ちょっと線は太いですが、割と綺麗な絵ですね。ただ・・・、人物を描く時に若干線が歪んでるような・・・? まあ、ホントに注意してみない限り気にならないレベルなので問題ないでしょう。充分に萌えられます。 あ、でもHシーンの時の正広のCGは何だか雑なような気がします。ただ描いてるだけで質感があまり感じられないです。オトコの裸の批評をしてどうするって話ですが(笑)。 CGの塗りは水彩画っぽいです。淡い色合いが涼しげで良いですね。どことなく儚げな雰囲気を醸し出していて、ゲームの雰囲気に合ってますね。 |
音楽 100点 |
BGMは全部で15曲。そのうち主題歌の『Forget
me
Not』とEDテーマの『時の砂・月の雫』にはvocal曲です。 音楽担当は『水月陵』さん。ゲーム中に使われるBGMは落ち着いた雰囲気のしっとりとしたものが多いです。 。どの曲も場面に合った曲が多いので安心してシナリオにのめり込めます。シナリオと音楽がきちんと相乗効果を生み出してますね。 各ヒロインのターマ曲も、それぞれのヒロインにイメージにぴったりと合っているんじゃないでしょうか。 そーいえばBGM鑑賞で曲のみを聴いてみたんですが、目を瞑って曲に意識を傾けてると、結構良い感じで浸れる曲が多いですね。なんつーか、『幼なじみ』とか『心の温度』とかは気持ちよく寝れそうです(笑)。 お気に入りの曲は『途切れた感情』、『心の温度』、『Forget me Not』、それとED曲の『時の砂・月の雫』ですね。特にED曲なんかは私的にかなり良い曲で、EDで泣かされかけた要因の一端はコレだというくらいお気に入りだったりします。 余談ですが、ED曲を歌ってるKIYOさんって、ReNNのテーマソングを歌ってる方なんですね。印象に残る特徴的な歌い方をする方なんで耳に残ってたんですが、意外なところで再び歌声を聞けるとは(;^_^;。 声優さんは皆さんお上手な方達ばかりです。それぞれの役にもぴったりで良いんじゃないでしょうか。 萌えの感想でもちらっっと書きましたが、香澄の声は結構ツボです(;^_^;。 エアリオの声は、最初は違和感が会ったのですが、私は聞いてるウチに慣れました。慣れると今度はハマリ役に思えてくるから不思議ですね・・・。 婦長サンの声は・・・・・・むー。昼パートの時はそんなに違和感は無いんですが、夜パートになると、何と言うか・・・妙な迫力があって怖いような気がします(;^_^;。 |
システム 90点 |
システム的には普通のADVということで、快適にプレイするために必要なものは一通り揃っているんじゃないでしょうか。 ・BGMや音声はボリュームの調節。テキストの表示速度の設定、メッセージスキップの既読・未読の選択、文章の巻き戻しが可能。それと、画面のウインドウ、フルスクリーンの切り替えもできます。 文章の巻き戻しはホイールマウスにも対応してるので何気に楽チンです。ただ、前述したように声優さん達はいずれも上手な方達ばかりなので、文章を巻き戻した時に音声も再生できる機能が欲しかったですね。 |
ExMode 100点 |
ゲーム本編中でヒロインを一人でもクリアすると選択できるようになります。 中身はお馴染みのCG回想、サウンド回想、シーン回想の3点ですね。 欲を言えば、この他にちょっとしたおまけシナリオとかがあると嬉しかったですね(;^_^;。 CG回想ではイベントCGと、各キャラの立ち絵が見れます。このゲームはキャラの表情とかしぐさが結構豊かなので、立ち絵が見れるのはちょっと嬉しい仕様ですね。 サウンド回想はゲーム中で使用されたBGMと、『Forget me Not』と『時の砂・月の雫』を聴くことが出来ます。BGMはPCMで収録されています。聴きたい曲名をクリックすると、その曲のイメージイラストと水月陵さんの15行程度のコメントが見れます。こんな風にただのBGM鑑賞で終わらずに、さりげないオマケ要素があるってのは良いですね。他のメーカーさんにも期待したいところです。製作者のコメントが読めるってのも何気にポイント高いです。(^O^)。 音楽の感想でも前述したように、良い曲が多いので、この感想を書いてる時もBGMとして聴きたかったのですが、残念ながらゲームウインドウから他のウインドウに切り替えると音楽が聞こえなくなってしまうんですよー。せっかく全部の曲を続けて聴ける機能が付いてるんだから、この辺は何とかして欲しかったですね。 シーン回想モードでは、その名の通り今までみたHシーンが見ることが出来ます。キャラによっては総シーン数は51個。この全てがHシーンのみってのは一見すると凄いように思えるんですが、実際の所はテキストが微妙に違うだけで、CGや内容はまったく一緒のものが結構多いです。それらを差し引いたうえでの純粋なシーン数は20個程度でしょうか。 まあ、それでもHシーンの回想数が20個以上ってのは、シナリオ進行系ADVとしては結構多いんじゃないでしょうか。 |
総合評価 70点 |
シナリオに関しては、部分部分で結構感動できるんですが、テキストのボリューム不足が影響して、全体的にいまひとつ描写が不足してます。結果として、シナリオライターさんにしか分からない『閉鎖的』な部分があるような印象を受けてしまいます。テキスト量を増やしてシナリオを解放的にしていけば間違いなく優秀作品の部類に入るんじゃないでしょうか。 とにもかくにも底力はありそうなので、次回作に更なる期待をしたいですね。 CGは魅力的な絵柄、というか好みの絵柄ですね。可愛らしく描かれていて良いんじゃないでしょうか。特典のブックレットも見応えありましたし(^O^)。 音楽、音声関連もレベルが高いのでゲーム中も安心して聴くことが出来ました。どちらか一方がダメだと、ゲームをやっていても冷めちゃうことがあるので・・・(;^_^;。 『総評』 CG、音楽、音声はレベルが高いです。シナリオも惹かれるものはあるが、ボリューム不足が否めないところか。 『総プレイ時間』 8時間くらい。 |
お気に入りキャラ |
萌えキャラ・・・『朝比奈香澄』 守ってあげたいキャラ・・・『真柴沙耶』 |