WIND-a breath of heart | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※≪≫で囲ってある文章は、反転させると見えます。
概要 シナリオ 萌え Hシーン CG 音楽 声優さん ムービー システム
総合評価 お気に入りキャラ
概要 |
住む人が皆、ちょっとした“力”を使える街、風音市。 ある日の夏、丘野真とその妹・ひなたはこの故郷に戻ってきた。それから出会う級友達や、隣の学園に通う姉妹と共に、ごく普通の学園生活を送る彼ら。そこに不思議な雰囲気を持つ女の子、月代彩も加わり、真たちの生活は、賑やかなものとなっていくのだった。 そんなある日、真が夕暮れの校舎で出会った女の子・鳴風みなも。そのめぐり逢いが彼に思い出させるもの。 それは、幼き日に思い出の中の少女と交わした約束だった。 「想いは、遠く離れてても届くんだよ。そしてその想いを無くさない限り、また会えるの------------。 自然に囲まれた街、風音市を舞台に繰り広げられる、ちょっと不思議な学園ラブストーリー。 それが本作『Wind-a breath of heart』です。 |
※パッケージ裏に掲載されている文章より抜粋。 |
シナリオ 35点 |
・・・・・・・・・・・・↑、うそつきめ(ぇー。 パッケージには確かに『ちょっと不思議な学園ラブストーリー』と書かれているし、実際にゲーム中においても学園ラブストーリーをロコツに匂わせるシーンは多数存在するのですが、おそらくシナリオライターが主軸として描きたかったのはコレではないように感じられました・・・。(後述) 攻略可能ヒロンは5人。 『鳴風みなも』・・・数年ぶりに再開した幼馴染。おとなしいマイペース型にも見えるが、おどけた態度や冗談もこなす。 『丘野ひなた』・・・主人公の妹。運動神経も料理の腕も抜群な、いつも明るい性格のムードメーカー的存在。 『藤宮わかば』・・・おっとりとした雰囲気の優しい少女。姉の望を心から大切に思っている。喫茶店「one day」でアルバイトをしている。 『藤宮望』・・・ポニーテールの剣術少女。妹のわかばを溺愛している。わかばと一緒に「one day」でアルバイトをしている。 『月代彩(つきしろひかり)』・・・町外れの小さな雑貨店で不思議な雑貨屋を経営している少女。不思議な雰囲気をたたえていて、人との関わりを拒絶するかのように振舞う。 その他に、主人公の親友の『橘勤』と、勤の幼馴染の『紫光院霞(しこういんかすみ)』、そして主人公の『丘野真』を中心として、シナリオが進行していきます。 ゲーム中の期間は4月から8月までの約4ヶ月間です。が、『一ヶ月間の中で何らかの出来事があった数日間のみを描写する』という方式なので、実際にお話が展開される日数は25日間程度です。 物語の前半から後半までは『学園と友人と日常生活』を主軸とした、ほのぼの&まったり系のシナリオが展開されるんですが、妹のひなたや親友の勤を中心とした登場人物達の会話が結構面白いです。基本的にはボケとツッコミの掛け合いなんですが、ツッコミっぷりも微妙にズレていて、更にプレイヤーが突っ込む余地がふんだんに用意されているので、私は「マウスをクリック→ツッコミ→マウスをクリック→ツッコミ』というプレイスタイルが楽しめました。ツッコミ姿勢を貫いて一日を終えた後は、もう夕暮れの土手で親友と殴り合ったかのような心地よさがありました(爆)。 テキスト自体も決して多くを語らず、敢えて隙間をつくることでユーザーが物語に介入しやすいようになっているように感じました。 また、序盤でのみなもとの再会シーンは以外とありがちなシチュエーションではあったものの、演出の上手さも手伝ってか非常に萌えました。 「よしゃああああっ!!もう俺のハートはみなも一筋だぜッ! みなもに群がる野郎共は親友だろうが何だろうが片っ端からなぎ倒してブッ潰して最終的にはみなもたんとあんなことやこんなこと(以下自主規制)」っていうくらいの勢いが付きます(爆)。 と、思って期待に胸を膨らませながらまったりとプレイできたのは、ホントに序盤までのお話です(ー'`ー;)。 『一ヶ月間の中から数日間をブツ切りにして小出しにする』手法で進行するイベントですが、ホントに日常生活や学園生活の『ちょっとしたイベント』ばかりです。しかも各イベント毎の繋がりは殆どないので、何だか短編集を寄せ集めたみたいな印象を受けました。イベントの殆どがまったり&ほのぼのと進行していくのでメリハリがなくなってプレイに倦怠感を覚えますし・・・。 まあ、『まったり&ゆったり推進派』の私としては、全然許容範囲っていうか内容次第ではクリティカルヒットもありえる状況なんですが、残念なことにテキストでの描写が壊滅的に駄目です。 最初は『テキストのみで全てを語らず、敢えて隙間をつくることでユーザーが物語に介入しやすいようしている』と評価していたテキストですが、実際は描写が足りてないだけのようです。さらに、「〜〜〜のだった」とか「〜〜〜な俺だった」「〜〜〜そして、〜〜〜」という単語が頻繁に登場するのが災いして、稚拙な文章に見えて仕方がありません。小学生の作文を添削する教師ってこんな気持ちなんでしょうか(汗)。 物語の終盤に入ると何故かそれまでの『ほのぼの学園ストーリー』をスパッと切り捨てて、唐突にシリアスモードに入ります。 この項目の最初の方で『シナリオライターが主軸として書きたかったものは、パッケージに記載されているいるような学園ラブストーリーじゃないかも』と書きましたが、たぶん本当に主軸を置いてるのはこっちの終盤のシリアス部分です。前半のほのぼのシナリオと比べても明らかに意気込みっていうか気迫が違います(;^_^;。 その『シナリオライターが本当に主軸として書いた』と予想される終盤ですが、『ファンタジーの要素がたっぷりと入ったミステリアスなシナリオで、それなりに壮大なお話』っぽくて、私は結構好みの題材なんで結構期待感もあったのですが・・・・・・、残念なことに読んでるこっちが痛々しくなるくらいに破綻してる部分が目立ち過ぎます。 まず気になったのが、シナリオ展開の強引さ。前半のほのぼのシナリオとはうって変わって、テキストで色んな説明や解釈が一方的に押し付けられるのでユーザーが介入する隙間が一切ありません。それと、物語を形創る基本となるハズの『起承転結』が曖昧になっているせいか、『どうしてそのような事態が起きているのか?』とか『どうしてそういう結論に達したのか』といった部分がいまひとつ見え辛く、これが災いしてか前後のイベントとの噛み合いもあまり良くありません。 それと、テキストの描写関連ですが、どう考えても前後のシナリオとつじつまが合わない個所があったり、あきらかに場面にそぐわない描写がされていたりして(一例:普通の学校の一般教室の何処を探せば人間を押しつぶせるくらいの電灯があるってんですか)、しっくりこない部分が幾つかありました。 また、各キャラクターがそれぞれに自分なりの決意とか結論、感情を語るシーンがあるんですが、何故か同じセリフを重複して喋ります。もしかしたら、ユーザーの胸に響くであろうセリフを立て続けに繰り返すことで何かしらの相乗効果を狙っているんじゃないかと考えたんですが、前後のシナリオがヒビワレだらけなので悪印象の相乗効果にしか見えません・・・。≪っていうかもう、『うるさいだまれ』としか言いようが・・・(-""-;)。≫テキスト描写も相変わらず稚拙ですし・・・。 プレイしていて思ったのですが、どうもシナリオ全体の印象が、『色んな作品に影響を受けた(もしくは汚染された)シナリオライターさんが書いてるという』印象が非常に強かったです。 例えば、前半は単発系のイベントが多いのですが、何処かで体験したことのある萌えシチュエーションや日常イベントが結構多いように思いました。 世の中に出回ってるゲームの数を考えるとその辺は仕方がないのかもしれませんが、残念なことに『既存の萌えシチュに独自のアレンジを加えて新鮮さを出す』という、よそのシナリオライターさんが四苦八苦しながら書いてるような表現が見えてきません(やらないライターさんも稀にいますが)。どこかで見たようなイベントをシナリオ上にポツンと配置しただけのような、噛み合っていないチグハグな印象を受けてしまいました。 後半部分も同じように、何処かで見たようなシーンや聞いたことがあるよなセリフなどが若干点在しています。 オリジナリティを匂わせるイベントもあるにはあるのですが・・・やはりテキストと構成力が駄目なので、読んでいて痛々しいです。 このため、全体的なシナリオの印象が『ツギハギだらけのシナリオ』という感じになってしまったように思います。 |
萌え 40点 |
むー・・・。 萌えポイントは確かに多数存在するんですが、シナリオ感想の項目で書いたようにテキストが駄目なのでいまひとつ萌えられません。しいて挙げるなら、ひなたでしょうか・・・。なんつーか、ライト感覚で萌えられます。 萌えイベントの多さならみなもがダントツだと思うのですが、いかんせん狙いすぎというか策略的なのがどうにも・・・。 |
Hシーン 60点 |
登録されるシーンは全部で6つ。CGの枚数は50枚です。 微妙に線が歪んでたり、一部のヒロインの顔がくずれ気味だったり、肌の質感が何だか人形みたい・・・・・・?と不満点はありますが、私的には水準はクリアしてるんじゃないかなぁと思いました。というか、純愛モノの割に描写が濃いような気がしません・・・・・・? テキストは相変わらずよろしくないんですが、何だか微妙にこだわりが伺える描写もあったりして、「ホントに書きたかったのは実はココか?」とか勘ぐってしまいそうです(爆)。ちなみに、全員ではありませんがちゅぱ音有ります。 |
CG 50点 |
原画家さんは『庄名泉石』さんと『結城辰也』さん。私は良く知らないんですが、他のゲームでも原画を描かれているようです。 CGの枚数は全部で144枚です。イベント絵は結構良いかなと思うんですが、立ち絵がどうも・・・。慣れてくれば何とかなるかなぁと思っていたんですが、何ともんりませんでした(爆)。何ていうか、塗りがベタなんで質感が感じられません。 あ、例外としてひなたの立ち絵はコミカルで、見ていて楽しかったです。 |
音楽 60点 |
音楽担当は『TWOFIVE』。前作のBSFでも確か主題歌とED曲を作曲してましたよね(うろ覚え)。結構有名らしいです。 BGM鑑賞モードで聞ける音楽が3曲。ムービーで流れるヴォーカル曲が2曲。ヴォーカルEDが1曲収録されています。 BGMはWAVE再生らしいのですが、私の方では確認できませんでした。若干こもっているような気がするのですが、これは私の環境だけかな? 音楽は基本的にどれも水準以上ですね。BGMの方は際立って目立って良いというわけではありませんが、ゲームの雰囲気を盛り上げてくれます。お気に入りの曲は 『one day』、『再開』、『lunch time』、『Cheer up!』、『mistake』などでしょうか。『再開』以外はコミカルな曲が目立ちますね。 |
声優さん 80点 |
皆さん上手な方達ばかりで良いんじゃないでしょうか。っていうか、テキストが駄目な分を声優さんとかBGMが必死にカバーしてるような印象を受けるのは私だけなんでしょうか。 お気に入りの声優さんは『みなも』役の春野日和さん。あと『ひなた』役の方(名前はEDテロップで分かるんですが、漢字が・・・)。 そういえば、『月代彩』の方ってもしかして、某ラジオのツインテールの声優さんと同一人物だと思うのですが、どなたか知ってる方います・・・・・・? |
ムービー 100点 |
ムービーは2種類あります。みなもとの再会のシーンの後に挿入されるOPムービーと、シリアスシナリオへ移行する際に流れる挿入ムービーです。 『ほしのこえ』で一躍有名人となった新海誠さんが担当されているようです。本作品の前評判が高かった要因のひとつとしてこのムービーの存在があるんですが、あらためて見るとやっぱり素晴らしい出来ですね。ムービーは両方ともシナリオの内容を表した創りになっています。なんというか、あれだけ駄目駄目とこき下ろしたシナリオなのに、ムービーを見ると「あれ、やっぱそんなに悪くないんじゃないかなぁ・・・。っていうかむしろかなりOK・・・?」とか思えてしまうので不思議です。 私的には、夕焼けの表現なんかかなりお気に入りです。≪思い起こせば私もあそこのシーンでダマされたのか・・・。≫ |
システム 50点 |
テキスト読み進め形式のADVに必要なシステムは一通り揃っていると思います。 BGMや音声のボリュームの調節。テキストの表示速度の設定、メッセージスキップ、文章のバックログ閲覧可能。それと、画面のウインドウ、フルスクリーンの切り替えもできます。 バックログはホイールマウスにも対応しているので使い勝手は結構良かったです。また、ログを表示する際に任意で音声も再生できるというのは何気に親切設計ですね。 ただ、スキップが致命的に欠陥品です。キャラクターの音声をカットしないとスキップ機能が働かないし、スキップそれ自体が遅すぎます。 それと、どうやらバグが多数存在するようです。未確認情報ですが、どうやらwin98・SEの環境で突出してバグが多いようです。私も98SEを使っているんですが、後半部分で強制終了をかけられてゲームが中断。ということもしばしばありました。 |
※修正ファイルがオフィシャルページで配布されてます。 |
総合評価 50点 |
ムービーは文句のつけようがないくらい素晴らしい出来です。音楽も際立ったよさはないものの、味のあるものが多くて良いです。CGに関しては、あまり良い評判は聞きませんが、イベント時のCGは結構綺麗だと思います。ただし、シナリオはかなり駄目っぷりをさらけ出していますが・・・。 |
お気に入りキャラ |
敢えて挙げるとするならば『丘野ひなた』。 |